易経を使った占いを「易占い(えきうらない)」と呼びます。3000年以上の歴史を持つこの占術は、いくつかの方法で行うことができます。この記事では、伝統的な筮竹(ぜいちく)を使う本格的な方法から、コインを使う手軽な方法、アプリを使う現代的な方法まで、具体的なやり方と卦の読み解き方を解説します。
易占いとは何か
易占いとは、易経の六十四卦を用いて、現在の状況や問題に対する指針を得る占術です。サイコロや筮竹などを使って偶然に卦を立て、その卦が示す象徴的な意味から、物事の流れや取るべき態度を読み解きます。
大切な前提:易占いは「未来を当てる」ものではなく、「今の状況を多角的に見つめ、より良い選択をするためのヒントを得る」ためのものです。結論を押し付けるのではなく、考えるための視点を与えてくれます。
占う前の準備と心構え
どの方法を使う場合でも、占いを始める前に次のことを意識しましょう。
- 問いを一つに絞る - 「AとBどちらが良いか」ではなく、「Aを選んだらどうなるか」のように、具体的で一つの問いにする
- 真剣に向き合う - 同じ問いを何度も占い直さない。最初に出た卦を尊重する
- 静かな環境で行う - 心を落ち着け、問いに集中できる状態をつくる
易占いの3つの方法
1. 筮竹を使う「本筮法(ほんぜいほう)」
最も伝統的で正式な方法が、50本の筮竹を使う本筮法です。手順の概要は次の通りです。
- 50本のうち1本を「太極」として筒に戻し、残り49本を使う
- 49本を無心に左右二つの山に分ける(分二)
- 右の山から1本を取り、左手の小指にはさむ(掛一)
- 左右の山をそれぞれ4本ずつ数え(揲四)、余りを取り分ける(帰奇)
- この操作を3回繰り返して1本の爻を決める
- 合計18回(18変)繰り返し、下から上へ6本の爻を立てて一つの卦を完成させる
手間はかかりますが、一つひとつの動作に心を込めることで、占いに深く集中できるのが本筮法の魅力です。
2. コインを使う「略筮法(りゃくぜいほう)」
3枚のコインを使えば、本筮法と同じ結果を手軽に得られます。三枚硬貨法とも呼ばれます。
- 表を「3」、裏を「2」として、3枚同時に投げて合計を出す
- 合計が 6(裏裏裏)→ 老陰(変爻・陰から陽へ変化)
- 合計が 7 → 少陽(変化しない陽)
- 合計が 8 → 少陰(変化しない陰)
- 合計が 9(表表表)→ 老陽(変爻・陽から陰へ変化)
これを6回繰り返し、1回目を一番下(初爻)として下から上へ積み上げると、一つの卦が完成します。数分で立卦できるため、日常的に使うのに向いています。
3. アプリ・ツールを使う方法
現代では、アプリを使えば本筮法のアルゴリズムを忠実に再現した立卦が一瞬で行えます。筮竹やコインを持っていなくても、いつでもどこでも本格的な易占いが可能です。卦の解説や爻辞も同時に表示されるため、初心者でも結果を読み解きやすいのが利点です。
卦の読み解き方
本卦(ほんか)と之卦(しか)
立てた卦には、現在の状況を表す「本卦」と、変化の先を表す「之卦」があります。
- 本卦 - 立てたそのままの卦。今の状況・問題の本質を示す
- 之卦 - 変爻(老陽・老陰)を反転させてできる卦。物事が向かう先・結果を示す
変爻(へんこう)の見方
老陽(9)と老陰(6)が出た爻を「変爻」と呼び、ここが占いの中心になります。変爻の数によって、本卦・之卦のどの爻辞・卦辞を重視するかが変わります。一般には、変爻がある場合はその爻辞を重視し、変爻がなければ本卦の卦辞全体を読みます。
読み解きのコツ:卦辞や爻辞は比喩的な表現が多いため、言葉を文字通りに受け取るのではなく、「今の自分の状況に当てはめるとどういう意味か」と問いかけながら読むことが大切です。
易占いの注意点
- 占い直しをしない - 望む答えが出るまで繰り返すのは禁物。最初の卦を真摯に受け止める
- 依存しすぎない - 易は判断の材料であり、最終的に決めるのは自分自身
- 当たり外れで考えない - 易占いは予言ではなく、状況を見つめ直すための鏡として活用する
まとめ
易占いには、筮竹を使う本筮法、コインを使う略筮法、アプリを使う方法があり、得られる卦の意味は同じです。大切なのは、問いを一つに絞り、出た卦と真剣に向き合うこと。卦が示す象徴を手がかりに、自分自身の状況を多角的に見つめてみましょう。